東洋紡株式会社のＰＣＲキットについて共同研究を進めておりましたが、このたび改良型のキットである「SARS-CoV-2 Detection Kit -Multi-」について臨床検体を用いた評価を行い、性能が確認されたため８月１８日に保険適応となりました。

本キットは、スワブ検体・唾液・喀痰などから直接ＰＣＲ検査が可能で、現在世界的に入手が困難となっているＲＮＡ抽出試薬が不要な検査キットです。 簡便・高精度な上、国内産で安定供給が見込まれ、また結果も１時間強で得られます。

以前のキットと比べて、前処理法の改良や内部コントロールと２つのターゲットを含むマルチプレックス化により、簡便・高感度かつ精度保証に配慮した仕様となっています。簡易抽出法を採用しながらも、低コピー検体も検出可能な感度を有し、また抽出ＲＮＡを用いればさらに高精度な検査も可能です。

鼻咽頭スワブ・唾液・喀痰の３種の材料について検体から直接検査を行い、感染研の臨床検体評価法に従い各陽性１０件、陰性１５件の検体を評価したところ、結果は完全に一致しました。簡易抽出法では非特異的な蛍光シグナル増強が認められ判定が難しい場合がありますが、本キットではそのような現象は確認されませんでした。

なお、本キットは８月３１日発売予定です。